May 11, 2022

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2014年からドイツでアーチストたちのドキュメンタリー撮影をしている写真アーチストです。

私が撮影するのは、出逢ったアーチストたちの裏方での作品制作風景や素顔の生活空間。

展示会やコンサート、そして演劇。通常は既に完成した作品を観賞することはあっても、その裏で作品を作り続ける彼らの輝きを知ることはあまりありませんが、私は彼らと作品との関係性を見出して撮影しています。


「アーチストの作品作りは、生きている証であり魂そのもの」

これは撮影中に私がいつも感じることです。

彼らの作品は魂を込めて作られ、人々の前に披露されるのです。

私の仕事は、アーチストたちの生活の一部にちょっぴりお邪魔しながら、そんな彼らの生き方や彼らの無意識の瞬間をそのまま切り取ること。

撮影の期間は、3週間から5年間かかることもあります。今回のドイツ国内取材旅行は、昨年2021年12月27日からはじまり、現在に至るまで続いています。


撮影中の私

このプロジェクトで実現したいこと「知って、見て、感じてほしい不変の想い」

ドイツでは、2020年3月からデモや抗議散歩が自然発生的に起き、毎日どこかで続けられています。

テレビなどの大手メディアでは報じられていませんが、私は実際に現地まで足を運んで、直接見て話を訊いて、肌で感じた彼らの想いを撮影しているのです。

今回出版しようと思う本は、ドイツのデモの写真をメインとし、 インタビューを通して参加者の思いを表現した新しい試みのアート。


ドイツのデモの取材現場のビデオ


「どうして、いつから、どうやってこの活動を始めたのですか?」

そうやって出会った人々に気持ちを聞くことで、彼らへの理解をより一層深めていきます。

心が通じ合い、心の温かさや想いの強さに胸を打たれ、涙を流すこともあります。

デモや抗議散歩を行っている方々を通りすがりに見かけるだけでは、彼らが何を思い何を大事にしているかは誰にも見えません。

けれども、この本を手に取ることで彼らの想いに触れることができます。

そんな写真と彼らの言葉を見てほしいと思い、この企画を始めました。

ドイツの町や村への旅では、まるでおとぎ話に入り込んだかと思わせるような素敵な風景に出会えます

プロジェクトをやろうと思った理由


2020年の3月頃から、世界中で新型コロナウィルスのパンデミックが起き、今までに経験したことのない縛りの中で暮らすことになりました。

そんな生活の中、2021年の暮れまでは、ドイツや他のヨーロッパの国々、オーストラリア、ニュージーランド等の国々でデモが広がっているなんて夢にも思っていませんでした。


2021年12月、たまたまSNSで、たくさんのデモのビデオや写真を目にするようになりました。そのことをFacebookに投稿してみたら、知っている人がほとんどいないことが解ったのです。テレビでも新聞でもデモについて報道されていないらしいのです。


毎日のようにたくさんのデモのビデオを見ていた私は、1週間後には、自分の目で確認したいと思い直ぐに実行に移しました。

私は普段、アーチストのアートとの個人的な向き合い方や考え方、思い入れなどを捉えて撮影しています。それは、アーチストとしてだけでなく、人としての個人の生き方を知りたいと思うからです。

けれども今回は今までとは違い、アーチストとは限らず、同じ思いを抱いて集まって行動している人々に会いに行くことにしました。

ドイツ人たちの「人としての原点」に触れられるのではないかという期待を持って。

彼らは特別な人達ではなく、愛する人、守りたい人がいる。その大事な人の為に立ち上がっている。

お医者さんや弁護士さんたちもそれぞれの専門分野で、人々の尊厳を守るための訴えを起こしています。自分たちの気持ちや意見をデモという形で表明している人々が、こんなにたくさんいるという事。

彼らは特別な人々ではなく、私たちと同じように誰かを愛しながら生きてる人々なんだです。そんな彼らを伝えられたらと思い、この本を作ろうと思いました。

冬の夕方は5時でも既に暗く、ライトアップされたお城の前をたくさんの人が歩いています

2021年12月27日から始めた冬の取材は終わり、ドイツ語と日本語の本を仕上げました。それでも、1600以上もの町や村をすべて回れるわけではなく、これから第二弾の取材を始めようと思っています。

ドイツの街並みは素敵なんです。まるでメルヘンの中に迷い込んだかと思わせるような風景の中に彼らは住んでいます。

そんな素敵な風景の中、私は自分で車を運転しながら、デモや抗議散歩の予定の場所まで向かっています。

毎日同じくらいの時間にデモが行われるので、一日に一つの町や村でしか撮影することはできません。

次の日には、150kmもしくは250km以上移動した先にある村まで車で向かうことも。街並みの素敵な場所を選んでいるで、次の場所がいつも近くにあるわけではないんです。

私は、デモや抗議散歩という愛のある行動をとる彼らのことを、同じように愛のある人々に伝えたいのです。

彼らのデモの目的もそれぞれ理由があります。

「自由を求めて」「平和を願って」「子供にワクチンは摂取しない」「子供たちにマスクなしで学校での対面授業を願って」「戦争反対」「医療関係施設のワクチンを任意に」「ネオナチ反対」「燃料費の高騰反対」「ガソリン代の値上げ反対」「音楽家たちのデモ」等、様々なデモが行われています。

自由がなくなったことを悲しんでの、お葬式パフォ-マンスのデモ行進


写真の中には、大勢で写っていても、顔にぼかしが入っている場合があります。彼らはデモに参加していることを知られたくない人たちです。彼らの気持ちもそのまま写真に写っています。

人々の最後を歩いてくる、音楽を奏でながらのデモ行進

最後に

1600以上ものデモや抗議散歩をやっている町や村に全て行けるわけではありませんし、ほとんどの場所にはきっと一回しか行けないでしょう。だけど、そのたった一回きりのたった一度の出会いが私の目に涙をこぼさせます。

この本を見て、あなたを包み込んでくれるような気持ちになってもらえたら嬉しいです。

私がこれからも取材を続けられるように、お手伝いをお願いしたいと思います。

皆さんに、ドイツの隠れた素敵な光景を見て戴く為に頑張りますので、よろしくお願いします。


【過去の作品紹介】


・「人形使いの頭の中」

 菩提樹の木を削って、服も糸操りのシステムもすべて自分で作るというドイツの人形使いを撮影した本です。彼は私が撮影を始めた事で日本に興味を持って下さり、2回に渡り来日し、日本のファンのために操り人形ショーを披露して頂きました。

・「RAKU」

 ドイツの焼き物アーチストが日本の伝統技術「楽焼」を使って作品を作ります。

・「KLARINETTEN MANUFAKTUR」

 ベルリンフィルハーモニーのクラリネット奏者も顧客として登場する、手作りクラリネット制作者の本です。

・「ENGEL」

 ドイツの自然を愛するアーチスト、ロックバンドや、サクスフォンの音楽をバックにチェーンソーで木を削りエジェルを形にしていく、画家、歌手、イベント企画などのマルチアーチストのドキュメンタリーです。

ドイツ語の本には、一足だけの手作りの靴を作るフランス人、手すき紙で自分の世界を展開させるアメリカ人アーチスト、果物の木を磨き上げて作る木工芸術家等の作品もあります。


この本の表紙をクリックして頂くと、私が今まで個人出版した本をご覧いただけます。

(この表紙は、第一回目のドイツ国内取材旅行の本です。表紙の写真上のグレーの帯は販売用には入っていません。)













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